第3回オトラ・リーガドラフト振り返り

1、始めに

 皆さんこんにちは。コルチョネロスのニニョ(@AtleticoTorres9)です。

 先日6/18(日)に開催されました第3回オトラ・リーガドラフト会議の方に、主催者であるオトラボ/オトラ・リーガ研究室 (@_otrabo_)さんにご招待いただき、参加いたしました。2年連続でのご招待に改めてこの場を借りて、感謝申し上げます。

 このブログは先日のドラフト会議の振り返りとなりますので、ネタバレを含みます。ぜひオトラボさんのYouTubeを4編全てご覧になったうえで、お手隙の際にお読みいただければ幸いです。


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 今回のブログではこのドラフトにおいて、私がどのような考えの下、選考を行ったのかについて僭越ながら書いていきたいと思います。ぜひ最後までお楽しみください。

2、テーマ

 今回のテーマを一言で言い表すのであれば、2019-20シーズン第2節、バルセロナ vs ベティスにおけるバルセロナ側の再現であります。これは私の中で近年のラ・リーガにおいて最高に面白かった試合の一つです。YouTubeにフルマッチがありましたので、時間のある方はぜひ。


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 この試合までのバルセロナ側の状況を簡単に紹介すると、このオフにグリーズマン、フレンキーらが加入。オフシーズンにコパ・アメリカがあった影響で、メッシ、スアレスは開幕に出遅れ、招集外となりました。そのような状況で迎えた開幕節、懐かしのアリツ・アドゥリスのゴラッソを許し、アトレティック相手にまさかの敗戦。3シーズン目を迎えたバルベルデ体制への風当たりがかなり強くなっている状態で迎えた1戦というところです。この試合、バルベルデは新加入のグリーズマンを9番のポジションに配置。右翼には神戸とのPSMで活躍したカンテラーノ カルレス・ペレス。インテリオールには新加入のフレンキーと毎年恒例序盤だけ中盤起用のセルジ・ロベルトが並びました。

 今回のドラフトでは、メッシ、スアレスの復帰もあり、殆ど1試合だけで終わってしまったこの最高にエキサイティングなチームの再現を目指しつつ、試合にて課題が見られた部分を改善し、より良いチームを作り上げることを試みました。

3、メンバー構想

 テーマに合わせて設けた各ポジションに求める働き、能力は上記の通りとなります。ポイントとなるのは2つ。

①CB。本家ではピケとラングレが務めるポジションですが、トランジションを上手く外された局面で常に後手を踏み、ピンチを招きまくっていたので、ここは供給力を必要条件としながら、1人である程度のエリアをカバーできる守備能力も求めることに。

②LWG。本家ではラフィーニャが入るポジション。このポジションにはライン間を取りに行く動きと、大外から仕掛け武器になるという2つのタスクを担ってもらいます。ポジショニングのセンスとドリブルでのキレある仕掛け。この2つを要求したいところです。

4、最終メンバー

監督:エルネスト・バルベルデ (アトレティック・クルブ)

 監督はベティス戦のバルサ同様 エルネスト・バルベルデ。特別な存在のチョロを除くと、私が世界一好きな監督となります。ある材料で最高なものを生み出す達人。自分のプランは持ちながらも、選手の特性に合わせ、あらゆる部分を足し引きしながら組織の能力を最大化することのできる名将です。ただ今季から就任したアトレティックでは苦戦。開幕当初は中に入っていくエストレーモ ベレンゲル+大外のラテラル ユーリにムニアインが絡む左サイドと、右大外のエストレーモ ニコ+ハーフスペース侵入のサンセ+サポート役のデ・マルコスといった形で両サイドに異なるトライアングルを作ることでペナ角を取りに行っていましたが、肝心の得点力不足、守備強度の懸念、WGイニャキの台頭などによって変更を余儀なくされることに。それ以降は中々決まった形を作ることに苦労し、個人能力に頼る部分が多くなってしまった印象でした。2シーズン目となる2023/24シーズン。どこまで優れたチームを作り上げることができるのか注目して見ていきたいところです。

1、オスカル・デ・マルコス (アトレティック・クルブ) 1.80m€

 まず1巡目に指名したのはアトレティックの重鎮 デ・マルコス。替えの効かなさ、そして1.80m€という安さを評価しての選出と致しました。かつてのビエルササッカーの申し子も今や34歳。キャリアの最終盤を迎えています。ポジションも右ラテラルの位置に落ち着き、アトレティックの武器であるサイド攻撃を支える存在です。年齢の影響もあって、アスリート能力の衰えは隠せなくなってきてはいるものの、そのビハインドを高いサッカーIQでカバー。守備での安定感はもちろんのこと、インナーラップ、オーバーラップ、WGの後方支援。全てにおいて判断を間違えることが極めて少なく、バランス能力は年々増しているようにも。今回のチームでも如何なくその強みを発揮してくれることでしょう。

 彼が取れなかった場合のオプションはイバン・バリウ(ラージョ・バジェカーノ)、ナチョ・ビダル(オサスナ)、イサ・カルセレン(カディス)。

2、ロドリゴリケルメ (ジローナ) 12.00m€

 2巡目はアトレティコ産の若きスター。ロドリゴリケルメ。通称ロロ。

 選出までは何かと事件がありましたが、無事獲得成功()  実質プリメーラ初シーズンとなった今季のロロ。若い才能溢れるタレントを武器に躍進を果たしたジローナの中心として5G4Aを記録し、そのポテンシャルの高さを示しました。左の大外からのドリブルを最大の武器にしながらも、プレーの幅は広く、中に入ってライン間で引き出す質も高い。その上、8節のアトレティコ戦が最たる例ですが、左45度あたりからの中距離のシュートは抜群の破壊力を持っており、相手に対して直接的な脅威を与えることのできる選手です。今オフはカンテラから所属するアトレティコに一旦はローンバック。プリメーラの半数以上のクラブからローンの打診があるとも言われていましたが、どうやら直近の報道によるとアトレティコ残留or ヨーロッパカップ戦出場チームへの完全移籍の2択の模様。実際、過去にはボーンマスでのローン移籍も経験しており、他国への抵抗感も低いのは懸念点。現在、チョロが採用する352では本適正ポジションがないのも事実ではあり、オファー次第ではというところでしょうか。ただ、高年齢化が著しいアトレティコにおいて、ロロは希望の星であり、個人的には、というか全コルチョネロスがだと思いますが、来季 赤白のユニフォームを着て輝く彼を期待しています。

 彼が取れなかった場合のオプションはアジョセ・ペレス(ベティス)、ジャスティン・クライファート(バレンシア)、ルベン・ソブリーノ(カディス)。

3、ホルヘ・クエンカ (ビジャレアル) 5.00m€

  3巡目はスペイン期待の現代型CBホルヘ・クエンカ。希少な左利き、トップクラスの供給力、それでいて爆速ジョレンテに並走できるだけのスピードと、しっかり前で潰し切れる対人能力の高さ。今回のLCBに求める役割を考えれば、プリメーラ全体で見ても、最適解と言えるのではないでしょうか。今季は分厚いパウの壁に阻まれ、リーガではわずか10試合の出場(内先発は5試合)に甘んじたものの、出た試合では及第点以上のプレーを常に発揮。パウとの併用でRCB、セティエンの奇行でRBも経験。様々なポジションでの経験を通し、プレーの幅も広がったのでは。パウの退団が決まり、アルビオルも年齢的にフル稼働が難しくなるであろう次シーズン。新ビジャレアルにおけるDFの中心としての活躍に期待していきたいところです。

 彼が取れなかった場合のオプションはイニゴ・マルティネス(アトレティック・クルブ)、ホセ・コペテ(マジョルカ)。

4、アントワーヌ・グリーズマン (アトレティコ・マドリー) 0m€ *Wild Card

 4巡目、3強の選手が唯一獲得できるこの場面で選択したのは、昨季のリーガMVP() アントワーヌ・グリーズマン。このチームの絶対的中心ということで、ベティス戦と同様9番の位置で、同じ役割を担ってもらうことにしました。今季のグリジは15G16Aという圧倒的なスタッツが証明しているように、まさに別格のプレーぶり。ましてや前半戦はバルサとの買取交渉の影響で30分のプレー制限がかかる中での、この数字ということでお見事という言葉以外でてきません。一度チームを離れたことにより、アトレティの環境への愛着は、更に増しているようで近頃は本当に幸せそう。贖罪の気持ちもあるのか、毎試合後、誰よりもコルチョネロスの近くでファンサービスを行い、今オフはサウジアラビアから届いたオファーに耳も貸さず。彼へ過去の件を持ち出し、不満を述べる人は今やいなくなりました。若くして活躍した彼も、32歳。直近のプレースタイルの変化もあって選手寿命は間違いなく伸びていますが、それでも一線級でできる時間はそう長くないはず。念願の初のリーグタイトルへ。来季は勝負の年です。

 彼が取れなかった場合は、チーム構想がぶっ壊れると思っていたので、取れて何よりです。万が一の場合に備え、考えていたオプションとしては、カルロス・フェルナンデス(レアル・ソシエダ)。この場合は3強枠でジョルディ・アルバ(バルセロナ)、もしくはロドリゴ・デ・ポール(アトレティコ)を獲得するつもりでした。

5、カルレス・ペレス (セルタ・ビーゴ) 5.00m€

 5巡目はこれまたベティス戦同様、カルレス・ペレスをそのまま選出しました。バルベルデの後任を務めたセティエンによって行われた352へのフォーメーション変更。これによって立ち位置を失い、リーガを離れた彼。1年半ぶりのスペイン帰還となった今季は序盤こそ、4132の布陣を敷くコウデの元で、中々適正ポジションを見つけられず苦労したものの、カルバリャル体制では絶対的な存在に。右大外からのカットインはアスパス、ベイガとの連携もあって強烈な破壊力を見せました。シーズン終盤にかけて、相棒たちが次々と調子を落としていく中でも、彼は孤軍奮闘。彼の力がなければ、最終節での残留はなかったでしょう。カットインからの左足フィニッシュを最大の武器とする彼ですが、スルーパスに対して良いオフ・ザ・ボールで抜け出してのフィニッシュも得意な形。どうやら来季もセルタに残りそうということで、ラファ・ベニテス新監督の元での活躍に期待したいところです。

 彼が取れなかった場合のオプションとしては、ビクトル・ツィガンコフ(ジローナ)、ゴンサロ・プラタ(バジャドリー)。

6、ハビ・ガラン (セルタ・ビーゴ) 12.00m€

 6巡目は、先日アトレティコへの加入が決定したハビ・ガラン。この時には想定もしていませんでしたが、まさかの結果となりました。元々、ガランは早々に誰かが持って行くだろうと思っていただけに、12.00m€で彼を取れたのは、その後の選択を大いに楽にすることに。攻守において高い能力を持つ彼。とりわけ欧州屈指のスタッツが示す通り、ドリブル力と運動量は大きな武器。低い位置からのドリブルによる運び出しから、高い位置での剥がしまで左大外を単騎で制圧できるプレーヤーです。巷で噂になっているクロスについて、個人的な見解では高いボールに関してはまあ数打ちゃそのうち当たるかもくらいの印象。ただペナ角まで切り込んでのマイナスのパスは悪くないものを持っていると思います。元々、アトレティコの左WBが攻撃時に求められる役割は、陣地回復のための大外でのボールキープと、そこから周囲と連携しながらのペナ角への侵入。グリジやデ・ポールなどと上手く関係性を作ることさえできれば、問題はないはずです。そしてそれ以上に期待したいのが守備面。チョロは大外担当が対人で負けないことを前提に守備組織を作る傾向があります。モリーナもこの部分は、大いに求められ、この1年で大きく成長しました。ガランはこのタスクを十分に務められる選手であり、チョロの元でさらに磨かれれば、より間違いないものになるはず。以上の点から私はハビ・ガランに大きな期待を寄せています。

 ひょっとしたらこの期待は裏切られるかもしれません。欧州の舞台でどれだけ通用するかも未知数です。ただ、彼が苦しい状況でチームのために闘い、走ることのできる選手であることは間違いないと確信しています。そしてそのような選手をアトレティコは何より歓迎します。リーガトップクラスのラテラルをチームに迎えられることを心から誇りに思います。

 彼以外のオプションとしてはアルフォンソ・ペドラサ (ビジャレアル)、アレックス・モレノ (アストン・ヴィラ/元ベティス)。

7、オリベル・トーレス (セビージャ) 9.00m€

 7巡目は、アトレティコ カンテラの最高傑作 オリベル。グリーズマン、ロロと組み合わせ、ロマンあふれるアトレティコが誇る天才トリオを配置しました。今季は時期によって何もかも大きく変わっていたセビージャ。ロペテギから始まり、サンパオリが繋ぎ、メンディリバルでフィニッシュ。その中でもオリベルはサンパオリ期の印象が強いシーズンだったように思います。就任から試行錯誤を行い続け、1試合ごとにフォーメーションから人選から何もかもを変えていたサンパオリ。その中でもオリベルは比較的重宝されていました。もちろん彼自身も試合によって、大きく好不調にばらつきはあったものの、左右に動いてボールを引き出しつつ、タイミングを見計らってDFラインの裏に飛び出していく積極性は、停滞感に満ちていた当時のセビージャにとって1つの希望となっていました。守備面でも年々戦える選手になっており、実際メンディリバルが就任して以降も、トップ下のファーストチョイスに。EL決勝こそ存在感を示せないまま45分で交代となってしまいましたが、準決勝のユヴェントス戦では上手くライン間で引き出し、チームの武器であるサイド攻撃を支えました。契約が残り1年ということもあり、ポルトガル帰還説、モンテレイ(メキシコ)説等、移籍のうわさが絶えない今オフ。彼もまた若くから出たこともあって、まだ28。老け込むにはあまりに早いはず。スペインの地で引き続き、この天才の成長を見届けたいところです。

 彼を取り逃した場合のオプションとしては当初はルーカス・ロベルトーネ (アルメリア)、オスカル・トレホ (ラージョ・バジェカーノ)、モイ・ゴメス (オサスナ)らを想定。ただ思いのほか、彼らが早く選出されたので、何とかオリベルを確保できて幸運でした。

8、パウロ・ガッサニーガ (ジローナ) 4.00m€

 8巡目はGK枠。毎度、苦労するこのポジションですが、今回はジローナからガッサニーガを選択。セインツやスパーズ等、プレミアで長く活躍した彼。昨季は地味にエルチェにいたものの、バディアの壁の前に、守護神の座は奪えず、今季は昇格組のジローナの一員となりました。序盤こそ、ファン・カルロスの後塵を拝していたものの、前任者はプリメーラのレベルに達しているとはお世辞にも言い難く、11節のオサスナ戦にてポジションを奪取。以来、一度足りとてその座を譲らず、走り抜きました。選出理由ですが、GKはプレー経験がないポジションということもあって、見てもよくわかんねえ!ということで今回はスタッツを大いに参考とさせていただくことに。今回のGKに求めるのはビッグセーブと、しっかりと味方につけられるショートパス。この2つの観点を知るために見た項目がPSxG-GA/90と、Avarage Pass Lengthの2つ。PSxG-GA/90は、ゴール期待値(xG)から、実際のゴール数を引いたもの。この項目において、ガッサニーガはバディアやテアを上回り、リーグトップの記録をたたき出していました。そして、Avarage Pass Lengthに関しては、クルトワ、レイナ、ルジ、テア、ボノに次ぐ6番手の記録。チームスタイルの影響も大きくあるとはいえ、近くの仲間につなぐことを躊躇しない姿勢は十分に見ていても感じる部分です。以上の理由から、このポジションはガッサニーガを選出することに。

 彼を逃した場合のオプションは、ぺぺ・レイナ (ビジャレアル)、クラウディオ・ブラボ (ベティス)。

9、サンティ・コメサーニャ (ラージョ・バジェカーノ) 7.50m€

 9巡目はラージョからコメサーニャを選択。当初は1番指名すら考えていたほど、このチームの核になる選手です。代替候補がある程度、計算が立っていたため、後ろに回すことにしましたが、まさか9巡目まで残っているとは。3巡目までには誰かに取られると思っていたので、これまた想定外の幸運でした。タスクとしては、降りてくるグリーズマンの影響で空く、9番のスペース、ここにするっと上がっていって得点を奪うという物です。今季のラージョはCBが、サベリジッチからルジューヌに変わったことで、これまで2CB+2CH+αで行っていたビルドアップに余裕が生まれ、2CB+1CH+αで基本的には運べるようになりました。中央に構え、運び出しに貢献するオスカル・バレンティンに対し、コメサーニャは比較的自由を与えられ、ヒートマップが示すように、ピッチのあらゆるエリアに関わっていました。

 その中で、今季コメサーニャがあげた3Gは全てFWが流れたor落ちたところに飛び出し、クロスに合わせて奪ったもの。実際、ゴールシーン以外にも、FWを追い越し、エリア内に入っていくシーンは多く見受けられました。それ故に、彼であればこのチームの右インテリオールの仕事をこなすことが出来ると考えました。今オフにはビジャレアル移籍が決定。変革期を迎えるチームにて、存在感を示すことが出来るか。注目です。

 彼を逃していた場合の選択肢は、ハビ・ゲーラ (バレンシア)、アルバロ・アグアド (バジャドリー)。

10、アンデル・ゲバラ (レアル・ソシエダ) 2.50m€

 10巡目はこのチームの心臓。ピボーテのポジションということでゲバラを選出しました。今季のリーガでの出場試合は8試合、スタメン起用はわずか2試合のみと非常に苦労した2022/23シーズン。自分より後に台頭したはずのスビメンディは、今や手の届かない位置まで行ってしまいました。それでも、今季のゲバラのパフォーマンスが悪かったとは決して思いません。彼が出た試合はEL含め、見ることが出来なかったコパを除き、全てチェックしましたが、むしろ昨季に比べ、判断の質やポジショニングの精度等は増しているように私には見えました。負傷の多さは懸念点ですが、出番を与えられれば、間違いなくプリメーラで十分に通用する選手です。イジャラの4番を引き継ぎ、ラ・レアルの新たな象徴になろうとしているスビメンディの壁は、あまりにも大きいものですが、ゲバラの能力があれば、そのスペアはもちろん、それ以上の存在になることもできるはず。それでもラ・レアルに居場所がないのであれば、環境を変えるというのも、選択肢の1つなのかもしれません。私はこの選手が本当に大好きです。2019-20シーズン vs バルサにおいて、ポジショニング1つでバルサの守備組織を壊し、縦パスを差しまくっていた姿は忘れられません。再び彼がチームの中心として輝く日を心待ちにしています。

 彼が取れなかったときのオプションとしては、ホセ・グラヘラ (エスパニョール)、ダニ・パレホ (ビジャレアル)、サム・コスタ (アルメリア) を考えていました。

11、ルイス・フェリペ (レアル・ベティス) 15.00m€

  最後の11巡目には加入初年度にしてベティスのDFリーダーとして君臨しているルイス・フェリペを選択しました。17.20m€の余裕を残して迎えた11巡目。15.00m€前後に散らばるリーガを代表するCB陣の中でも、最も個人での守備能力に長けており、幅広いエリアを1人で守り切れる点を評価。トランジション全振りのこのチームにおいて、彼のような選手は不可欠な存在です。この能力が顕著に現れた試合が2022/23シーズン 第4節のマドリー戦。フェキル、カルバーリョを欠いた影響もあり、マドリー相手にオープンな展開での撃ち合いをせざるを得なかったベティス。その中でルイス・フェリペは圧倒的な存在感を発揮。100%のデュエル勝率を叩き出した他、体を張ったゴールライン上でのブロックもあり、マドリーの猛攻を一定時間1人で耐え続けました。1シーズンで3回の退場とカードの多さは玉に瑕ですが、そのリスクを踏まえたとしても十分評価に値する選手でしょう。今回のチームでもDFリーダーとしての役割に期待したいところです。

 彼が取れなかった場合のオプションはジョゼフ・アイドゥー (セルタ)、ロイック・バデ(セビージャ)、ウナイ・ガルシア(オサスナ)

 

5、最後に

 ここまで読んでいただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか。今回は、前回のドラフトと比べるといわゆる硬い選出になったかなと思います。やはりポゼッション主体で行くことを決めると、下位クラブの選手を入れることは難しくなってしまいますね。一芸特化のプレーヤーは大好きですが笑 2022/23シーズンは21/22に比べると見る試合が限られてしまいました。まあ21/22が見過ぎだったのですがね笑 23/24は就活真っ只中ということで、更に見れる試合は減ると思いますが、自分のペースで見ていきたいと思います。

 さて3強以外をこれまであまり知らなかったよという方の中で、ここまで読んでくださった方はいるでしょうか。まあいない気がしますが笑 先述の通り、私はコルチョネロスであり、言ってしまえば3強側の人間です。それでも『オトラ』もまた大好きです。この立場から、少し語りたいことがあります。

 近頃プレミアに数多くの『オトラ』リーガのスターが買われていきます。パウ・トーレス、ニコラス・ジャクソン、アレックス・モレノ、ウナイ・エメリ、アンドニ・イラオラ、モンチ。(アストン・ヴィラだらけやんけ) その度に、リーガはこれで良いのか、レベル低下だ云々の声が主に3強側のサポーターからあがります。確かに、相対的に見れば、レベルは下がっているのかもしれません、プレミアの経済力に追いつくことはもはや夢のまた夢です。それでも私はラ・リーガというリーグが大好きです。ラ・リーガの確固たる魅力は決して失われていない、衰えていないと強く思います。そして他国と比べる必要はないラ・リーガの魅力を知るには『オトラ』リーガは格好の教材です。

 あらゆるビッグクラブからオファーを受けながら、それを全て蹴り、イジャラの4番を継ぐ決断をしたスビメンディ、絶対的中心であったカンテラーノ ブライス・メンデスの穴をすぐさま埋め、最終節にはチームを救う大活躍を見せ、涙を浮かべたカンテラーノ ガブリ・ベイガ。残留争いにて誰よりもチームのために気を吐いていた、エスパニョールにとって特別な21番を背負うカンテラーノ ニコ・メラメド。18年ぶりのコパ・デル・レイ決勝にて勇猛果敢なプレーでマドリーをあと一歩のところまで追い詰めたオサスナ。今季だけで見ても1つ1つのチームのストーリーが存在し、紡いできた意思が受け継がれる瞬間を数多く目の当たりにする機会に恵まれました。私は、この瞬間が大好きです。アトレティコの事でなくても涙が出てきます。この魅力はリーグレベルや1選手、1監督の引き抜きなんかで揺らぐことはない、私にとってかけがえのないものです。情熱と感動と笑い()に満ちたラ・リーガは、皆さんが思う以上に素晴らしいリーグです。より広くリーグ全体に興味を持ってみませんか。

 正直に言えば、『オトラ』勢同士の対戦には、くそつまらない試合も山ほどあります。でも、継続して追っていると、1シーズンに何度か、他では感じることのできない、特別な感情に出会うことが出来ます。この瞬間の喜びは、想像以上のものです。ぜひ、来季はどこか1チームでも、興味をもって追ってみてほしい。チームに迷ったらオトラボさんのYouTubeを見ましょう!() 最後に媚びを売って締めさせていただきます笑

 改めて、今回ドラフトにお誘いいただき、楽しい時間を共有させていただいたこと、そしてここまで、纏まりのない長ったらしいブログを最後まで読んでくださったこと、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。