第3回オトラ・リーガドラフト振り返り

1、始めに

 皆さんこんにちは。コルチョネロスのニニョ(@AtleticoTorres9)です。

 先日6/18(日)に開催されました第3回オトラ・リーガドラフト会議の方に、主催者であるオトラボ/オトラ・リーガ研究室 (@_otrabo_)さんにご招待いただき、参加いたしました。2年連続でのご招待に改めてこの場を借りて、感謝申し上げます。

 このブログは先日のドラフト会議の振り返りとなりますので、ネタバレを含みます。ぜひオトラボさんのYouTubeを4編全てご覧になったうえで、お手隙の際にお読みいただければ幸いです。


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 今回のブログではこのドラフトにおいて、私がどのような考えの下、選考を行ったのかについて僭越ながら書いていきたいと思います。ぜひ最後までお楽しみください。

2、テーマ

 今回のテーマを一言で言い表すのであれば、2019-20シーズン第2節、バルセロナ vs ベティスにおけるバルセロナ側の再現であります。これは私の中で近年のラ・リーガにおいて最高に面白かった試合の一つです。YouTubeにフルマッチがありましたので、時間のある方はぜひ。


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 この試合までのバルセロナ側の状況を簡単に紹介すると、このオフにグリーズマン、フレンキーらが加入。オフシーズンにコパ・アメリカがあった影響で、メッシ、スアレスは開幕に出遅れ、招集外となりました。そのような状況で迎えた開幕節、懐かしのアリツ・アドゥリスのゴラッソを許し、アトレティック相手にまさかの敗戦。3シーズン目を迎えたバルベルデ体制への風当たりがかなり強くなっている状態で迎えた1戦というところです。この試合、バルベルデは新加入のグリーズマンを9番のポジションに配置。右翼には神戸とのPSMで活躍したカンテラーノ カルレス・ペレス。インテリオールには新加入のフレンキーと毎年恒例序盤だけ中盤起用のセルジ・ロベルトが並びました。

 今回のドラフトでは、メッシ、スアレスの復帰もあり、殆ど1試合だけで終わってしまったこの最高にエキサイティングなチームの再現を目指しつつ、試合にて課題が見られた部分を改善し、より良いチームを作り上げることを試みました。

3、メンバー構想

 テーマに合わせて設けた各ポジションに求める働き、能力は上記の通りとなります。ポイントとなるのは2つ。

①CB。本家ではピケとラングレが務めるポジションですが、トランジションを上手く外された局面で常に後手を踏み、ピンチを招きまくっていたので、ここは供給力を必要条件としながら、1人である程度のエリアをカバーできる守備能力も求めることに。

②LWG。本家ではラフィーニャが入るポジション。このポジションにはライン間を取りに行く動きと、大外から仕掛け武器になるという2つのタスクを担ってもらいます。ポジショニングのセンスとドリブルでのキレある仕掛け。この2つを要求したいところです。

4、最終メンバー

監督:エルネスト・バルベルデ (アトレティック・クルブ)

 監督はベティス戦のバルサ同様 エルネスト・バルベルデ。特別な存在のチョロを除くと、私が世界一好きな監督となります。ある材料で最高なものを生み出す達人。自分のプランは持ちながらも、選手の特性に合わせ、あらゆる部分を足し引きしながら組織の能力を最大化することのできる名将です。ただ今季から就任したアトレティックでは苦戦。開幕当初は中に入っていくエストレーモ ベレンゲル+大外のラテラル ユーリにムニアインが絡む左サイドと、右大外のエストレーモ ニコ+ハーフスペース侵入のサンセ+サポート役のデ・マルコスといった形で両サイドに異なるトライアングルを作ることでペナ角を取りに行っていましたが、肝心の得点力不足、守備強度の懸念、WGイニャキの台頭などによって変更を余儀なくされることに。それ以降は中々決まった形を作ることに苦労し、個人能力に頼る部分が多くなってしまった印象でした。2シーズン目となる2023/24シーズン。どこまで優れたチームを作り上げることができるのか注目して見ていきたいところです。

1、オスカル・デ・マルコス (アトレティック・クルブ) 1.80m€

 まず1巡目に指名したのはアトレティックの重鎮 デ・マルコス。替えの効かなさ、そして1.80m€という安さを評価しての選出と致しました。かつてのビエルササッカーの申し子も今や34歳。キャリアの最終盤を迎えています。ポジションも右ラテラルの位置に落ち着き、アトレティックの武器であるサイド攻撃を支える存在です。年齢の影響もあって、アスリート能力の衰えは隠せなくなってきてはいるものの、そのビハインドを高いサッカーIQでカバー。守備での安定感はもちろんのこと、インナーラップ、オーバーラップ、WGの後方支援。全てにおいて判断を間違えることが極めて少なく、バランス能力は年々増しているようにも。今回のチームでも如何なくその強みを発揮してくれることでしょう。

 彼が取れなかった場合のオプションはイバン・バリウ(ラージョ・バジェカーノ)、ナチョ・ビダル(オサスナ)、イサ・カルセレン(カディス)。

2、ロドリゴリケルメ (ジローナ) 12.00m€

 2巡目はアトレティコ産の若きスター。ロドリゴリケルメ。通称ロロ。

 選出までは何かと事件がありましたが、無事獲得成功()  実質プリメーラ初シーズンとなった今季のロロ。若い才能溢れるタレントを武器に躍進を果たしたジローナの中心として5G4Aを記録し、そのポテンシャルの高さを示しました。左の大外からのドリブルを最大の武器にしながらも、プレーの幅は広く、中に入ってライン間で引き出す質も高い。その上、8節のアトレティコ戦が最たる例ですが、左45度あたりからの中距離のシュートは抜群の破壊力を持っており、相手に対して直接的な脅威を与えることのできる選手です。今オフはカンテラから所属するアトレティコに一旦はローンバック。プリメーラの半数以上のクラブからローンの打診があるとも言われていましたが、どうやら直近の報道によるとアトレティコ残留or ヨーロッパカップ戦出場チームへの完全移籍の2択の模様。実際、過去にはボーンマスでのローン移籍も経験しており、他国への抵抗感も低いのは懸念点。現在、チョロが採用する352では本適正ポジションがないのも事実ではあり、オファー次第ではというところでしょうか。ただ、高年齢化が著しいアトレティコにおいて、ロロは希望の星であり、個人的には、というか全コルチョネロスがだと思いますが、来季 赤白のユニフォームを着て輝く彼を期待しています。

 彼が取れなかった場合のオプションはアジョセ・ペレス(ベティス)、ジャスティン・クライファート(バレンシア)、ルベン・ソブリーノ(カディス)。

3、ホルヘ・クエンカ (ビジャレアル) 5.00m€

  3巡目はスペイン期待の現代型CBホルヘ・クエンカ。希少な左利き、トップクラスの供給力、それでいて爆速ジョレンテに並走できるだけのスピードと、しっかり前で潰し切れる対人能力の高さ。今回のLCBに求める役割を考えれば、プリメーラ全体で見ても、最適解と言えるのではないでしょうか。今季は分厚いパウの壁に阻まれ、リーガではわずか10試合の出場(内先発は5試合)に甘んじたものの、出た試合では及第点以上のプレーを常に発揮。パウとの併用でRCB、セティエンの奇行でRBも経験。様々なポジションでの経験を通し、プレーの幅も広がったのでは。パウの退団が決まり、アルビオルも年齢的にフル稼働が難しくなるであろう次シーズン。新ビジャレアルにおけるDFの中心としての活躍に期待していきたいところです。

 彼が取れなかった場合のオプションはイニゴ・マルティネス(アトレティック・クルブ)、ホセ・コペテ(マジョルカ)。

4、アントワーヌ・グリーズマン (アトレティコ・マドリー) 0m€ *Wild Card

 4巡目、3強の選手が唯一獲得できるこの場面で選択したのは、昨季のリーガMVP() アントワーヌ・グリーズマン。このチームの絶対的中心ということで、ベティス戦と同様9番の位置で、同じ役割を担ってもらうことにしました。今季のグリジは15G16Aという圧倒的なスタッツが証明しているように、まさに別格のプレーぶり。ましてや前半戦はバルサとの買取交渉の影響で30分のプレー制限がかかる中での、この数字ということでお見事という言葉以外でてきません。一度チームを離れたことにより、アトレティの環境への愛着は、更に増しているようで近頃は本当に幸せそう。贖罪の気持ちもあるのか、毎試合後、誰よりもコルチョネロスの近くでファンサービスを行い、今オフはサウジアラビアから届いたオファーに耳も貸さず。彼へ過去の件を持ち出し、不満を述べる人は今やいなくなりました。若くして活躍した彼も、32歳。直近のプレースタイルの変化もあって選手寿命は間違いなく伸びていますが、それでも一線級でできる時間はそう長くないはず。念願の初のリーグタイトルへ。来季は勝負の年です。

 彼が取れなかった場合は、チーム構想がぶっ壊れると思っていたので、取れて何よりです。万が一の場合に備え、考えていたオプションとしては、カルロス・フェルナンデス(レアル・ソシエダ)。この場合は3強枠でジョルディ・アルバ(バルセロナ)、もしくはロドリゴ・デ・ポール(アトレティコ)を獲得するつもりでした。

5、カルレス・ペレス (セルタ・ビーゴ) 5.00m€

 5巡目はこれまたベティス戦同様、カルレス・ペレスをそのまま選出しました。バルベルデの後任を務めたセティエンによって行われた352へのフォーメーション変更。これによって立ち位置を失い、リーガを離れた彼。1年半ぶりのスペイン帰還となった今季は序盤こそ、4132の布陣を敷くコウデの元で、中々適正ポジションを見つけられず苦労したものの、カルバリャル体制では絶対的な存在に。右大外からのカットインはアスパス、ベイガとの連携もあって強烈な破壊力を見せました。シーズン終盤にかけて、相棒たちが次々と調子を落としていく中でも、彼は孤軍奮闘。彼の力がなければ、最終節での残留はなかったでしょう。カットインからの左足フィニッシュを最大の武器とする彼ですが、スルーパスに対して良いオフ・ザ・ボールで抜け出してのフィニッシュも得意な形。どうやら来季もセルタに残りそうということで、ラファ・ベニテス新監督の元での活躍に期待したいところです。

 彼が取れなかった場合のオプションとしては、ビクトル・ツィガンコフ(ジローナ)、ゴンサロ・プラタ(バジャドリー)。

6、ハビ・ガラン (セルタ・ビーゴ) 12.00m€

 6巡目は、先日アトレティコへの加入が決定したハビ・ガラン。この時には想定もしていませんでしたが、まさかの結果となりました。元々、ガランは早々に誰かが持って行くだろうと思っていただけに、12.00m€で彼を取れたのは、その後の選択を大いに楽にすることに。攻守において高い能力を持つ彼。とりわけ欧州屈指のスタッツが示す通り、ドリブル力と運動量は大きな武器。低い位置からのドリブルによる運び出しから、高い位置での剥がしまで左大外を単騎で制圧できるプレーヤーです。巷で噂になっているクロスについて、個人的な見解では高いボールに関してはまあ数打ちゃそのうち当たるかもくらいの印象。ただペナ角まで切り込んでのマイナスのパスは悪くないものを持っていると思います。元々、アトレティコの左WBが攻撃時に求められる役割は、陣地回復のための大外でのボールキープと、そこから周囲と連携しながらのペナ角への侵入。グリジやデ・ポールなどと上手く関係性を作ることさえできれば、問題はないはずです。そしてそれ以上に期待したいのが守備面。チョロは大外担当が対人で負けないことを前提に守備組織を作る傾向があります。モリーナもこの部分は、大いに求められ、この1年で大きく成長しました。ガランはこのタスクを十分に務められる選手であり、チョロの元でさらに磨かれれば、より間違いないものになるはず。以上の点から私はハビ・ガランに大きな期待を寄せています。

 ひょっとしたらこの期待は裏切られるかもしれません。欧州の舞台でどれだけ通用するかも未知数です。ただ、彼が苦しい状況でチームのために闘い、走ることのできる選手であることは間違いないと確信しています。そしてそのような選手をアトレティコは何より歓迎します。リーガトップクラスのラテラルをチームに迎えられることを心から誇りに思います。

 彼以外のオプションとしてはアルフォンソ・ペドラサ (ビジャレアル)、アレックス・モレノ (アストン・ヴィラ/元ベティス)。

7、オリベル・トーレス (セビージャ) 9.00m€

 7巡目は、アトレティコ カンテラの最高傑作 オリベル。グリーズマン、ロロと組み合わせ、ロマンあふれるアトレティコが誇る天才トリオを配置しました。今季は時期によって何もかも大きく変わっていたセビージャ。ロペテギから始まり、サンパオリが繋ぎ、メンディリバルでフィニッシュ。その中でもオリベルはサンパオリ期の印象が強いシーズンだったように思います。就任から試行錯誤を行い続け、1試合ごとにフォーメーションから人選から何もかもを変えていたサンパオリ。その中でもオリベルは比較的重宝されていました。もちろん彼自身も試合によって、大きく好不調にばらつきはあったものの、左右に動いてボールを引き出しつつ、タイミングを見計らってDFラインの裏に飛び出していく積極性は、停滞感に満ちていた当時のセビージャにとって1つの希望となっていました。守備面でも年々戦える選手になっており、実際メンディリバルが就任して以降も、トップ下のファーストチョイスに。EL決勝こそ存在感を示せないまま45分で交代となってしまいましたが、準決勝のユヴェントス戦では上手くライン間で引き出し、チームの武器であるサイド攻撃を支えました。契約が残り1年ということもあり、ポルトガル帰還説、モンテレイ(メキシコ)説等、移籍のうわさが絶えない今オフ。彼もまた若くから出たこともあって、まだ28。老け込むにはあまりに早いはず。スペインの地で引き続き、この天才の成長を見届けたいところです。

 彼を取り逃した場合のオプションとしては当初はルーカス・ロベルトーネ (アルメリア)、オスカル・トレホ (ラージョ・バジェカーノ)、モイ・ゴメス (オサスナ)らを想定。ただ思いのほか、彼らが早く選出されたので、何とかオリベルを確保できて幸運でした。

8、パウロ・ガッサニーガ (ジローナ) 4.00m€

 8巡目はGK枠。毎度、苦労するこのポジションですが、今回はジローナからガッサニーガを選択。セインツやスパーズ等、プレミアで長く活躍した彼。昨季は地味にエルチェにいたものの、バディアの壁の前に、守護神の座は奪えず、今季は昇格組のジローナの一員となりました。序盤こそ、ファン・カルロスの後塵を拝していたものの、前任者はプリメーラのレベルに達しているとはお世辞にも言い難く、11節のオサスナ戦にてポジションを奪取。以来、一度足りとてその座を譲らず、走り抜きました。選出理由ですが、GKはプレー経験がないポジションということもあって、見てもよくわかんねえ!ということで今回はスタッツを大いに参考とさせていただくことに。今回のGKに求めるのはビッグセーブと、しっかりと味方につけられるショートパス。この2つの観点を知るために見た項目がPSxG-GA/90と、Avarage Pass Lengthの2つ。PSxG-GA/90は、ゴール期待値(xG)から、実際のゴール数を引いたもの。この項目において、ガッサニーガはバディアやテアを上回り、リーグトップの記録をたたき出していました。そして、Avarage Pass Lengthに関しては、クルトワ、レイナ、ルジ、テア、ボノに次ぐ6番手の記録。チームスタイルの影響も大きくあるとはいえ、近くの仲間につなぐことを躊躇しない姿勢は十分に見ていても感じる部分です。以上の理由から、このポジションはガッサニーガを選出することに。

 彼を逃した場合のオプションは、ぺぺ・レイナ (ビジャレアル)、クラウディオ・ブラボ (ベティス)。

9、サンティ・コメサーニャ (ラージョ・バジェカーノ) 7.50m€

 9巡目はラージョからコメサーニャを選択。当初は1番指名すら考えていたほど、このチームの核になる選手です。代替候補がある程度、計算が立っていたため、後ろに回すことにしましたが、まさか9巡目まで残っているとは。3巡目までには誰かに取られると思っていたので、これまた想定外の幸運でした。タスクとしては、降りてくるグリーズマンの影響で空く、9番のスペース、ここにするっと上がっていって得点を奪うという物です。今季のラージョはCBが、サベリジッチからルジューヌに変わったことで、これまで2CB+2CH+αで行っていたビルドアップに余裕が生まれ、2CB+1CH+αで基本的には運べるようになりました。中央に構え、運び出しに貢献するオスカル・バレンティンに対し、コメサーニャは比較的自由を与えられ、ヒートマップが示すように、ピッチのあらゆるエリアに関わっていました。

 その中で、今季コメサーニャがあげた3Gは全てFWが流れたor落ちたところに飛び出し、クロスに合わせて奪ったもの。実際、ゴールシーン以外にも、FWを追い越し、エリア内に入っていくシーンは多く見受けられました。それ故に、彼であればこのチームの右インテリオールの仕事をこなすことが出来ると考えました。今オフにはビジャレアル移籍が決定。変革期を迎えるチームにて、存在感を示すことが出来るか。注目です。

 彼を逃していた場合の選択肢は、ハビ・ゲーラ (バレンシア)、アルバロ・アグアド (バジャドリー)。

10、アンデル・ゲバラ (レアル・ソシエダ) 2.50m€

 10巡目はこのチームの心臓。ピボーテのポジションということでゲバラを選出しました。今季のリーガでの出場試合は8試合、スタメン起用はわずか2試合のみと非常に苦労した2022/23シーズン。自分より後に台頭したはずのスビメンディは、今や手の届かない位置まで行ってしまいました。それでも、今季のゲバラのパフォーマンスが悪かったとは決して思いません。彼が出た試合はEL含め、見ることが出来なかったコパを除き、全てチェックしましたが、むしろ昨季に比べ、判断の質やポジショニングの精度等は増しているように私には見えました。負傷の多さは懸念点ですが、出番を与えられれば、間違いなくプリメーラで十分に通用する選手です。イジャラの4番を引き継ぎ、ラ・レアルの新たな象徴になろうとしているスビメンディの壁は、あまりにも大きいものですが、ゲバラの能力があれば、そのスペアはもちろん、それ以上の存在になることもできるはず。それでもラ・レアルに居場所がないのであれば、環境を変えるというのも、選択肢の1つなのかもしれません。私はこの選手が本当に大好きです。2019-20シーズン vs バルサにおいて、ポジショニング1つでバルサの守備組織を壊し、縦パスを差しまくっていた姿は忘れられません。再び彼がチームの中心として輝く日を心待ちにしています。

 彼が取れなかったときのオプションとしては、ホセ・グラヘラ (エスパニョール)、ダニ・パレホ (ビジャレアル)、サム・コスタ (アルメリア) を考えていました。

11、ルイス・フェリペ (レアル・ベティス) 15.00m€

  最後の11巡目には加入初年度にしてベティスのDFリーダーとして君臨しているルイス・フェリペを選択しました。17.20m€の余裕を残して迎えた11巡目。15.00m€前後に散らばるリーガを代表するCB陣の中でも、最も個人での守備能力に長けており、幅広いエリアを1人で守り切れる点を評価。トランジション全振りのこのチームにおいて、彼のような選手は不可欠な存在です。この能力が顕著に現れた試合が2022/23シーズン 第4節のマドリー戦。フェキル、カルバーリョを欠いた影響もあり、マドリー相手にオープンな展開での撃ち合いをせざるを得なかったベティス。その中でルイス・フェリペは圧倒的な存在感を発揮。100%のデュエル勝率を叩き出した他、体を張ったゴールライン上でのブロックもあり、マドリーの猛攻を一定時間1人で耐え続けました。1シーズンで3回の退場とカードの多さは玉に瑕ですが、そのリスクを踏まえたとしても十分評価に値する選手でしょう。今回のチームでもDFリーダーとしての役割に期待したいところです。

 彼が取れなかった場合のオプションはジョゼフ・アイドゥー (セルタ)、ロイック・バデ(セビージャ)、ウナイ・ガルシア(オサスナ)

 

5、最後に

 ここまで読んでいただきありがとうございます。いかがでしたでしょうか。今回は、前回のドラフトと比べるといわゆる硬い選出になったかなと思います。やはりポゼッション主体で行くことを決めると、下位クラブの選手を入れることは難しくなってしまいますね。一芸特化のプレーヤーは大好きですが笑 2022/23シーズンは21/22に比べると見る試合が限られてしまいました。まあ21/22が見過ぎだったのですがね笑 23/24は就活真っ只中ということで、更に見れる試合は減ると思いますが、自分のペースで見ていきたいと思います。

 さて3強以外をこれまであまり知らなかったよという方の中で、ここまで読んでくださった方はいるでしょうか。まあいない気がしますが笑 先述の通り、私はコルチョネロスであり、言ってしまえば3強側の人間です。それでも『オトラ』もまた大好きです。この立場から、少し語りたいことがあります。

 近頃プレミアに数多くの『オトラ』リーガのスターが買われていきます。パウ・トーレス、ニコラス・ジャクソン、アレックス・モレノ、ウナイ・エメリ、アンドニ・イラオラ、モンチ。(アストン・ヴィラだらけやんけ) その度に、リーガはこれで良いのか、レベル低下だ云々の声が主に3強側のサポーターからあがります。確かに、相対的に見れば、レベルは下がっているのかもしれません、プレミアの経済力に追いつくことはもはや夢のまた夢です。それでも私はラ・リーガというリーグが大好きです。ラ・リーガの確固たる魅力は決して失われていない、衰えていないと強く思います。そして他国と比べる必要はないラ・リーガの魅力を知るには『オトラ』リーガは格好の教材です。

 あらゆるビッグクラブからオファーを受けながら、それを全て蹴り、イジャラの4番を継ぐ決断をしたスビメンディ、絶対的中心であったカンテラーノ ブライス・メンデスの穴をすぐさま埋め、最終節にはチームを救う大活躍を見せ、涙を浮かべたカンテラーノ ガブリ・ベイガ。残留争いにて誰よりもチームのために気を吐いていた、エスパニョールにとって特別な21番を背負うカンテラーノ ニコ・メラメド。18年ぶりのコパ・デル・レイ決勝にて勇猛果敢なプレーでマドリーをあと一歩のところまで追い詰めたオサスナ。今季だけで見ても1つ1つのチームのストーリーが存在し、紡いできた意思が受け継がれる瞬間を数多く目の当たりにする機会に恵まれました。私は、この瞬間が大好きです。アトレティコの事でなくても涙が出てきます。この魅力はリーグレベルや1選手、1監督の引き抜きなんかで揺らぐことはない、私にとってかけがえのないものです。情熱と感動と笑い()に満ちたラ・リーガは、皆さんが思う以上に素晴らしいリーグです。より広くリーグ全体に興味を持ってみませんか。

 正直に言えば、『オトラ』勢同士の対戦には、くそつまらない試合も山ほどあります。でも、継続して追っていると、1シーズンに何度か、他では感じることのできない、特別な感情に出会うことが出来ます。この瞬間の喜びは、想像以上のものです。ぜひ、来季はどこか1チームでも、興味をもって追ってみてほしい。チームに迷ったらオトラボさんのYouTubeを見ましょう!() 最後に媚びを売って締めさせていただきます笑

 改めて、今回ドラフトにお誘いいただき、楽しい時間を共有させていただいたこと、そしてここまで、纏まりのない長ったらしいブログを最後まで読んでくださったこと、本当にありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

 

 

第2回オトラドラフト振り返り

1、初めに

 皆さん。こんにちは。コルチョネロス (アトレティコサポーター) のニニョ(@AtleticoTorres9 )です。

 先日、5/28(土) に開催されました第2回オトラ・リーガドラフト会議の方に、 主催者であるオトラボ/オトラ・リーガ研究室 (@_otrabo_)さんにご招待いただき、参加いたしました。改めてこの場を借りて、感謝申し上げます。

 こちらが皆さんの選ばれたメンバーです、オトラボさんがまとめて下さったので、ぜひ。

 今回のブログではこのドラフトにおいて、私がどのような考えの下、選考を行ったのかについて僭越ながら書いていきたいと思います。文中では偉そうに戦術っぽいことを語っていますが、全くの素人であるため、何言ってるのか意味がよくわからない点も多くあるはずです。またブログを書くということ自体が初経験のため、読みづらい箇所もあると思います。お気軽に流して読んでいただければ幸いです笑 良ければ最後までお楽しみください。

 

2、最終メンバーと構想

 

 指名において重複した箇所はなく、完璧ではありませんが、ある程度満足のいく選出ができたと思っております。キャプテンはエクトル・エレーラ(アトレティコ)、プレースキックフィデル(エルチェ)、PKはラウール・デ・トマス(エスパニョール)で考えています。

 

とりあえず各ポジションの諸条件は上記の通り。どのような相手であっても形をずらすことによって対応できるように攻守においていくつかのパターンを用意することを踏まえた条件となっております。

①ビルドアップ

 2CB+1で運ぶ形に加え、3+1で運ぶ形も用意。これもRCHの右降り、LCHの中央降り、LBの左残りの3パターン。その上で、ビルドアップの目的地はライン間を取るLSHとRSHの2人に加え、降りてくるCFも。更に地上でのビルドアップが上手くいかない時用に、空中戦に勝てるLSB、RCHを置き、一時期アトレティコがサウールをLSHに起用して行っていたような身長的に劣る傾向の強いSB相手にロングボールを収めることで前進しましょうという形を作りました。

②クロス対応時

 この布陣的に守備時に穴となりやすいのが右サイド。ここの耐久力にかなりの課題を抱えているため、RSBにはあくまで大外のレーンのみを対応させ、クロス対応は残りがやる形に。この時のパターンはRCHがRCBとRSBの間に降りる形か、空中戦に強いLSBを中に入れ、左の一番外にLSHを降ろす形の2通り。

 

3、指名理由

 未熟な戦術構造はここまでにしてこれから本題の指名理由に入っていきます。以下より、である調に代わりますのでご理解よろしくお願いいたします笑

 1、RCH エティエン・キャプー (ビジャレアル)

 1巡目に選出したのはビジャレアルのキャプー。

 自分の立てたプランから見て、明らかに1人負担がずば抜けて高いのがRCHのポジション。攻撃時は内に入ってくるRSHを追い越し、フィニッシュに関与。その一方、状況によってはRSBの上がりを後方支援。守備ではRSBとRCBの間を埋めてのクロス対応と、常人では量・質共に無謀なタスクを背負っているこのポジション。このタスクを完璧にこなせる人物として挙げられるのはリーガ全体で見てもキャプーしか思いつかなかった。以上の理由からキャプーを1巡目で確保する事に。彼が取れなかったときの代役として唯一考えていたのが、アラベスのゴンサロ・エスカランテ。

2、ST ハビ・プアド (エスパニョール)

 2巡目指名はエスパニョールからハビ・プアド。

 このチームにおいてエースポジションとなるSTの位置は彼に託すことにした。今季は30試合に出場し、4G1Aと物足りない数字に終わったものの、五輪やU21ヨーロッパ選手権で見せたように彼の直接的にゴールに向かう姿勢とフィニッシュのバリエーションの多さは間違いないものがあり、きっかけさえあればいつケチャドバ状態に入ってもおかしくない。(今季はエンバルバ等の不調によりサイドに張らされることが多かったことも補足しておこう。) このポジションはベティスのファンミ、ビジャレアルのジェレミ・ピノ等、他にもオトラを代表するようなスタープレイヤーを抱えているが、個人的な好みを含め、第2巡目はプアドに。

3、LCB カリム・レキク(セビージャ)

  問題の3巡目。LCBはセビージャからカリム・レキクを選出した。

 当初の予定としては、ここはイニゴ・マルティネスの予定であった。パウ、クエンカの人気は想定していたため、ここはあらかじめ避け、イニゴにしたのだが… 結果はご承知の通り、1巡目で早々に選ばれてしまった笑 とはいえ左利きのLCBは希少種。3巡目で選出するという当初のプランは崩さず、レキクに。これはこのチームのLSBに求める条件もある程度こなせそうなため、そちらに回すことも視野に入れての選出だ。ドラフト中もポジティブな選出ではないとはいったものの、今季のレキクはCB、LSBともに賞賛に値するパフォーマンスを見せており、前シーズンとは比べようがないほど見事なパフォーマンスを披露。今オフに大きな動きを見せそうなセビージャの中で、来季レキクがどのようなパフォーマンスをどのポジションで見せるのか。個人的に注目している。代役候補はエスパニョールのレアンドロカブレラグラナダのラウール・トレンテ、ベティスのビクトル・ルイス。

4、LCH エクトル・エレーラ (アトレティコ)

 4巡目、唯一の3強選手を選べる機会であったこのタイミングで選出したのはアトレティコからエクトル・エレーラ。今季での退団が決定しているメキシコ代表ピボーテ。彼がチョロから信任を得ていたら、少なくとも今季の結果は変わっていたのではないか。そう思わずにはいられない最高の選手。その上、加入時にはEU圏内として登録できるようにカピタンを務めていたメキシコ代表の招集を断ってまで、ポルトガル国籍を取り、出場機会が限られている中でも文句の一つ足りとて言わず、チームのために貢献してくれた。前任者であるトーマスのように1人でゲームを支配してしまうような圧倒的な存在感があるわけではないが、アトレティコのビルドアップに欠けている要素であるダイレクトと飛ばすパスによってゲームを作り展開を変えることができる彼はこのチームにとって欠かせない選手のはずだった。これまでの感謝と謝罪、そしてフロントへの怒りを込めて選出した。現在32歳とまだまだ老け込む年齢ではないはず。今年のW杯含め今後の活躍に期待したい。

5、LSH フィデルチャベス (エルチェ)

 5巡目指名はエルチェからフィデル

 このポジションも想定通りの選出ができなかったポジション。全体構造にて書いた①ライン間でのチャンスメイク ②内外をラテラルと連携しながらどちらでも取れる。③状況に応じて守備時に最終ラインに吸収され、左の大外のレーンを担当できる。この3条件に当てはまる選手として思いついていたのが、エスパニョールのトニー・ヴィリェナ、ビジャレアルアルベルト・モレノの2人。しかし、彼らはいずれも2巡目で取られてしまっており、この条件全てを満たす選手は自分の中ではいなくなってしまった。(他に思いつく選手がいたら教えて下さい🙇‍♀️)  ということで、③の条件を諦め、①②で最大限の貢献ができるフィデルを選出。フランシスコ政権下では、前政権ほど絶対的な存在ではなくなり、ベンチスタートになることもあった彼だが、出た時のパフォーマンスは流石のもの。ボジェ、ペレ・ミジャ、テテ・モレンテ、モヒカなど癖の強いメンバーを見事に左のハーフスペースから操った。結果としても5得点6アシストと悪くないスタッツを残しており、選出に十分値するプレーヤーと言えるだろう。そんなフィデルが第5指名。その他の候補としてはセルタのフランコ・セルビ、ヘタフェのヤクブ・ヤンクト。

6、LSB マティアス・オリベラ (ヘタフェ)

  6巡目指名は先日、ナポリへの移籍が決定したウルグアージョ マティアス・オリベラ。

 この指名は予定通りのものとなった。攻撃時にはインナーラップとオーバーラップを使い分け、守備時には3バックの左に入れるくらいの耐久力と高さ。おまけに大外での対人。いずれをとってもオリベラ以上の適任はいないだろう。でかい、速い、運べる、ポジショニングの間違いも少ないと全分野でレベルの高いプレーヤー。今季初めはWBの位置に対する戸惑いもみられたが、試合を重ねる内に順応。左に流れるサンドロを使いながら内側へ侵入する場面、右のダミアン・スアレスからのクロスにファーで合わせる場面など印象に残るプレーも多く残した。3年ほど前からアトレティコへも移籍が噂されていた彼だが、今夏ナポリへの移籍が決定。その能力は間違いなくセリエAの舞台でも通用するはずであり、また来季CLの舞台で彼をみれることが非常に楽しみだ。リーガファンとして、そしてウルグアージョを愛するクラブのサポーターとして、今後の活躍に期待したい。

このポジションの代役候補はラ・レアルのディエゴ・リコ、ビジャレアルからアルフォンソ・ペドラサ。

7、GK ジュレン・アギレサバラ(アトレティック)

  7巡目はGK枠。選んだのはアトレティック・クルブからジュレン・アギレサバラ。

La Rojitaにも選出されているスペイン期待の若手GKだ。出てきた当初はバスク人特有の特徴ある名前からケパ・アリサバラガかよとか思っていたものの、今ではその偉大なる前任者に匹敵するほどの実力を備えたレベルの高いGKに成長を遂げた。クラブ内ではLa Rojaの正守護神ウナイ・シモンという高い壁の前にあくまで第2GKの域を出れていないのが現状だが、その類まれなるポテンシャルと既に高いレベルにある実力は少ない出場時間の中でも十分確認することができる。彼は全ての能力の平均値が高いプレーヤーであり、シュートストップはもちろん、ハイボールの対応、足元の技術、キックすべてにおいて穴のない素晴らしいGKだ。来季以降、会長選の影響で変化を迎えることになるアトレティック。その中でシモンとアギレサバラの2人がどうなっていくのか注目だ。

左利きのスペイン人GKといえば、イケル・カシージャス。アギレサバラはより現代的なGKではあるが、彼のようにLa Rojaを世界一に導く守護神に。そんな存在へと成長してくれることを期待している。

アギレサバラに関してはオトラボさんのYouTubeでも詳しく解説されているのでぜひ。


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このポジションの代役候補はセルタのマティアス・ディトゥーロ、ベティスのルイ・シウバ、バレンシアのジョージ・ママルダシュヴィリ。

8、CF ラウール・デ・トマス (エスパニョール)

    8巡目はエスパニョールのエース RDT。言わずと知れたオトラを代表するストライカーだ。この段階まで残っていることがあり得ないほどの選手だが、なぜか残っていたので取らせていただいた笑 

 個人的に考える彼の最大の魅力はシュートバリエーションの多さ。クロスに合わせるワンタッチシュート、裏抜けからの1vs1。左45度付近からのミドルなど、どのような形でも正確なフィニッシュに繋げることができる。その結果が今期の17Gという数字。1部リーグでのキャリアハイの結果を残し、アスパスと並びサーラ賞を受賞。またLa Rojaでの初キャップまで辿り着いた。

 自分が初めてRDTを見たのは恥ずかしながら遅く、ラージョ時代の18-19シーズン。アドビンクラとアレックス・モレノという魅力的すぎるラテラルコンビを抱えていたシーズンだ。最下位に沈むチームの中で14得点という圧倒的な活躍を見せたRDTの活躍は当時から衝撃的だったのを記憶している。

 アーセナルやセビージャなどからのアプローチの噂はあるもののおそらく残留が予想される今夏。(なんか言わなきゃいいことを言っているらしいが) 新監督に就任したディエゴ・マルティネスの下で、彼がどのような活躍を見せるのか。注目したい。

このポジションの代役候補はカディスのルーカス・ペレス、ラ・レアルのアレクサンダー・セルロート。

9、RCB ルイス・エルナンデス (カディス)

  9巡目はカディスからルイス・エルナンデス

 ラ・ファブリカ産の彼はヒホン、レスター、マラガ、マッカビ・テルアビブと渡り歩き今冬にカディスに加入した。彼の最大の魅力は持ち出してから斜め方向に出す縦の楔。このパスはスピード、精度共に質が高いもので、このチームにおいても降りてきたRDTやこの後紹介するアルベルト・ソロを引き受け手として、攻撃の起点を作ることができるはずだ。守備においての武器はラインコントロール。33歳という年齢もあって、スピード的な衰えは隠せず、183㎝、75kgという体格的にも無理の利くキャラクターではない。しかし、それをしっかりと理解して、相方のCBやSBを上手く使いながら、無理のない範囲で回収を行っていく様は見事なものだ。その彼の加入により、それまで22試合で5回しかクリーンシートを達成していなかったカディスは16試合で8回のクリーンシートを達成。見事最終節での残留を果たした。その結果、もちろんカディスではセルヒオ・ゴンザレス監督を筆頭に会長、SD等から絶対的な信頼を得ているようであり、22-23シーズンにおいてルイス・エルナンデスがどのようなパフォーマンスを見せるのかにも引き続き注目したい。

 このポジションの代役候補はエルチェのエンソ・ロコ、ラ・レアル アリツ・エルストンドなど。

10、RSB マリオ・エルナンデス (ラージョ・バジェカーノ)

 10巡目にはラージョよりマリオ・エルナンデスを指名。

 本来は同じくラージョのバリウを指名する予定であったものの、マリオ・エルナンデスも彼に匹敵するもしくはこのチームにおいては彼以上にハマる選手になりそうなため、満足できる選出となった。

 マドリード出身のこの23歳はラージョのカンテラで育っており、背番号からもわかるように、未だBチーム登録のプレイヤー。今季の出場もわずか9試合にとどまっている。とはいえ、出場試合でのパフォーマンスは確かなものがあり、イシが中に入っていくことでできる大外のレーンを十分に生かすタイミングの良さと上がった以降の周囲の選手たちと絡みながら打開していく形はバリウに比べても引けを取らない部分だろう。また、守備面においても悪くない能力を持っており、もちろんオトラトップクラスと比べると見劣りする部分はあるが、対人面でもそう簡単に負けることはない。また、空中戦では177㎝と特別大きい体格ではないものの、体の使い方や入る位置が良く相手CFとの空中戦であっても弾き返すシーンが垣間見られた。まだまだ、粗削りなところは否めず、課題も多い彼ではあるが、今後に期待できるプレーヤーだ。

 その他の候補はセビージャからゴンサロ・モンティエル、カディスのカルロス・アカポ等。

11、RSH アルベルト・ソロ (グラナダ)

 11巡指名はグラナダからアルベルト・ソロを選択。

 このポジションはロチェルソ(ビジャレアル)やメレンド(エスパニョール)、キケ・ペレス(エルチェ)らと迷ったものの、個人での打開力、そしてドラフト中も言及したプアドとのサラゴサ時代の関係を鑑み、また競争にならなそうということもあって、ソロを選出した。

 地元サラゴサカンテラ出身の彼は青田刈り的な意味合いで2019年にマドリーが獲得、1年間ローンという形でサラゴサでプレーしたものの、マドリーからの評価は得られず、翌年には完全移籍でグラナダに加入した。彼の武器は右ライン間でボールを引き出し、そこからの特徴的なドリブルを武器に、個人で打開していく形。これをベースとしつつ、相手ゴール付近の危険なスペースで決定的な仕事ができるプレーヤーだ。その一方、これまでの最高成績はセグンダでも19-20の4G5Aと物足りないものであり、フィジカル面に大きな課題が残るなど良くも悪くも天才肌の大器といった印象。

 グラナダでの2シーズン目を迎えた今季はポゼッションを志向する(はずだった)ロベルト・モレノの下で、シーズン当初から主力の1人に。しかし、なぜか起用されるポジションは彼の良さが活きる右サイドやトップ下ではなく、左サイド。それも与えられたタスクは大外からのクロスとあまりにも勿体ない仕事に終始することとなり、インパクトを残せず。冬にウズニやコジャドが加入し、ロベルト・モレノが退任してからは、残留争いを勝ち抜くため守備により重点を置くようになったチームの中で出場機会を失ってしまった。

 とはいえ、チームの降格によりソロ自身の出場機会が増えることは濃厚。古巣サラゴサが獲得に動く可能性もあるようだが、どのような形であれ、彼が再びその才能を見せつけ、セグンダの舞台を席巻してくれることに期待したい。

12、監督 ディエゴ・シメオネ (アトレティコ)

 12巡目、最後を飾るのは我らがチョロ。

彼を選んだ理由はこのツイートに集約されています。

 

控え① FW ミゲル・デ・ラ フ エンテ (アラベス)

 控え選手は指名順を気にせず、ポジション的に前の選手からご紹介。1人目はアラベスのミゲル・デ ラ フエンテ。

 バジャドリーカンテラ出身で、過去には年代別の代表経験もあるプレイヤー。私がこの選手を初めて見たのは20-21昇格POのラージョvsレガネスの一戦。前述のマリオ・エルナンデスを初めて見た試合でもあるこの試合において、ミゲルは1トップとして出場。サイドに流れての競り合いや、そこからの推進力あるドリブル、裏への抜け出し、強度の高い追いかけまわす形でのハイプレスなど積極的にボールに向かっていく姿勢で相手DFを攪乱させていた。今季加入したアラベスではフィニッシュに中々絡めず1Gに終わったものの、そのポテンシャルの高さは折り紙付き。絶対的エース ホセルの退団を始め、降格によって大きな変化があるだろうアラベスの中で中心となれるか。セグンダでの活躍に期待したい。

控え② FW ヘルマン・バレラ (レアル・ソシエダB)

 控え選手2人目はヘルマン・バレラ。

 アトレティコビジャレアルから強奪し、両クラブの間に断絶状態を生んだほどの超逸材。(なのに買取OPとかつけてローンで出すという。結局、行使されず一安心)。

 セグンダの舞台を席巻するアトレティコカンテラーノたち。ミランデスロドリゴリケルメ、セルヒオ・カメジョを筆頭にレガネスのボルハ・ガルセス、テネリフェのビクトル・モジェホなどの中で今回はバレラを選出。カンテラは全く追えていないので限られた試合での浅ーい印象になってしまうことはご了承を。間違いがあったら教えてください。  

 個人的な彼の1番の魅力はサイドから中に切り込み、勢いそのままにCFを壁的に使い、エリア内に侵入していくプレー。多少強引なところは否めないが、細かい所でもダブルタッチなどを使って侵入していく様は見ていてワクワクさせてくれる。今回のチームにおいても、フィデルとはタイプの違うオプションとして活躍してくれるはずだ。来季以降、アトレティコがトップチームに帯同させることは考えにくく、再レンタルとなることが濃厚。出始めたときの衝撃度に比べると少々停滞感があることは否めないが、まだ20歳。同世代のペドリやアンス、ピノとともにLa Rojaを、そしてアトレティコを背負う存在になってくれることを期待している。

控え③ MF イバン・サンチェス (バジャドリー)

 控え3人目はバジャドリーのイバン・サンチェス。 

 バジャドリーでの良い写真が見つからなかったのでエルチェ時代のものに。彼もまたフルで見たことは限りあるプレーヤーだが、そのインパクトが絶大。ピボーテやインテリオールを務めることも多い選手ではあるものの、その武器は右サイドで使ってこそ活きるように思う。彼の武器はカットインで入ってくるドリブルとそこからの精度の高い左足のキック。スピードに乗って仕掛けていくバレラやソロとは異なり、ある程度ゆっくりとしたペースでドリブルに入り、緩急で相手を一瞬外し、その隙に精度の高い左足で決定的な仕事をするのが彼の最大の武器だ。これまでプリメーラ経験がないことが驚きなほどの選手であり、それだけに30歳の大台に乗る来季、魅力的なスカッドを抱えるバジャドリーで彼が見れることが楽しみだ。(ローン中だが、昇格したことで買取となる模様)

控え④ ペレ・ポンス (アラベス)

 控え4人目はアラベスから皆さんご存じペレ・ポンス。

 ジローナで育ったカタルーニャ人の彼は、19-20からアラベスに移籍。次々と代わる監督の下で様々なタスクを与えられながらも、信頼を勝ち取ってきた。個人的に考える彼の一番の武器はプレッシングの上手さ。トップ下気味の位置に入り1トップの選手とともに2枚で相手CB2枚+1(ピボーテ)を見るのが非常に巧みな選手だ。ピボーテを見るとき、CBにプレッシングにいくとき、これを使い分けるタイミングとプレッシングに出るときのコース取りが良く、相手を困らせることができる。その武器はハイプレスを志向したメンディリバル時代に顕著に表れており、彼の下で欠かせない選手となっていた。その反面、ドラフト中も話題になった通り、中途半端さがあるのも事実。トップ下としては攻撃面で物足りないところがあり、ピボーテとしては彼の良さが出にくく、また強度的に物足りないところがある。しかし、局面的に使えば間違いなくチームに貢献してくれる選手であり、また少々レベルの落ちるセグンダではスペシャルな選手となれる能力を持った選手。来季の活躍を期待したい。

控え⑤ ミチェル・エレーロ (テネリフェ)

 控え5人目はテネリフェに所属するミチェル。

今年33歳を迎えるベテランのピボーテだ。リーガを長くみている方からすると、バレンシアのイメージが強いのかもしれないが、見初めて日の浅い私からするとバジャドリーの選手という印象。

派手なフィードや身体能力を持った選手ではないが、ピボーテの位置で構え、指示を与えながらチーム全体の形を整えるバランサー。その能力は個性的なタレントの多いバジャドリーにおいて非常に重要なものとなっており、彼の存在がバジャドリーを支えていたと言っても過言ではない。そして、もう一つ彼の魅力は縦につけるパス。長い距離をスピードあるボールでといった感じではなく、あくまで空いた時に当てる程度のものだが、それによってテンポを作り、ゲームをコントロールしていた。

見れてはいないのだが、今季から加入したテネリフェでも着実に自身の立ち位置は確保しているようで、33試合に出場している。現在昇格POを戦うチームの中で彼が輝き、プリメーラで再びみれることを楽しみにしたい。

控え⑥ シモ・ナバーロ (アラベス)

 控え6人目はアラベスから3人目。DF シモ・ナバーロ。

本職の右ラテラルだけでなく、CB、左ラテラルにも適用可能な彼はこういった形でのベンチ枠にちょうどいい選手。もちろん今季の彼のパフォーマンス自体も十分評価に値するものであり、怪我前までのパフォーマンスはアラベス加入以来、最も良いものを見せていたと言っても良いだろう。後半戦は途中加入のテナグリアの前にベンチスタート、あるいは不安定なルベン・ドゥアルテに代わり左ラテラルでのプレーなど、これまでような絶対的な立ち位置ではなくなったものの、最終的には再度右ラテラルのポジションを奪還することに成功。不調なチームの中で奮闘した。

 彼の持ち味はそのユーティリティ性に加え守備力。特に地上戦での対人能力は非常に高く、3バックの右に入っていたカジェハ政権末期時には、右WBに入ったマルティンのカバーをしつつ、ハーフスペースから侵入してくる相手を牽制するタスクを良く勤めていた。特に7節のvsアトレティコ戦でそれまで得意のドリブルで左サイドを制圧していたカラスコを完全に封じ切ったのは印象深い。そんな彼もアラベスとの契約は今季をもって終了となり、降格したチームからの退団が濃厚視されている。32歳という年齢こそネックなものの、実力的には十分プリメーラで輝ける選手なので、来季彼がどこでのプレーを選択するのか。注目したい。

控え⑦ ロベルト・ヒメネス (バジャドリー)

 控え7人目GK枠はバジャドリーからロベルト・ヒメネスを選出。

GK枠はそこまで事前に考えていなかったので、その場での選出となったが、満足のいく結果となった。アトレティコカンテラ出身である36歳は年代別代表の経験を持つ確かな実力を備えたGK。所謂ビックセーバータイプであり、当たったときは手が付けられない存在になるGKだ。しかし、クラブ選びが悪いのか、それとも本人が望んでいるのか、中々実力相応の立ち位置を築く機会が少なく、現状もセグンダバジャドリーにおいてジュルディ・マシプの控えに甘んじている。それ以前もアラベスではパチェコの怪我によって出場機会を得たものの、ウェストハムではファビアンスキ、エスパニョールではディエゴ・ロペスと偉大なライバルの前に守護神の座を譲ることが多い。

 とはいえ、その事実はこういった企画の控えとしては好都合。このチームにおいても、若いアギレサバラを支え、2ndGKの座に文句を言わず、限られる出た試合でしっかりと好パフォーマンスを見せてくれるはずだ。

5、終わりに

 長い長い文章にお付き合いいただき、本当に本当にありがとうございました。ここまで最初から読み通してくださった方は果たして何人いるのか…笑 改めて、感謝申し上げます。

 今季は自分でも信じられないくらいの試合数を見ました笑 毎試合1頁/1試合でメモを取っているノートが約6冊()。ただ4月から大学の対面授業も始まり、その他諸々忙しくなることから来季は今季程見れないことは確実です。フットボールはあくまで娯楽であり、心から楽しんでみなければ、全く意味がないものだと個人的には考えています。楽しめる範囲でまた、来季もリーガを中心に追っていけたらと思いますので、仲良くしていただけたら幸いです。(自分からあんまり絡みにいけない人なので、いつでもリプ等待っております笑)

最後に改めて×2ドラフト、そしてここまで長いブログ読んでいただきありがとうございました!